徒労に終わるコードレビュー

最近、グループ内でコードレビューを行うことがあります。入社以来、まともにコードレビューを受けたことがない若手のコードをレビューすることによって、本人達のスキル向上を図るというものです。しかし、本来なら、開発しているコードをレビューして、指摘事項が反映されて、コードが修正されていくというプロセスを繰り返すべきなのですが、教育目的なために実際には反映されなかったりします。

残念ながら単なる教育目的のレビューは効果は少ないです。その理由を考えてみました。

  • 指摘事項が実際に反映されないため、コードを修正してみて再度見直すことが行われない。レビューでの指摘事項は、実際に修正を施した結果を見ることでどの程度良くなっているかを理解する必要があります。

  • 本来は、要求仕様や機能仕様、あるいは、設計段階でのレビューを先に行っておくべきなのですが、その部分のレビューには私は呼ばれていないので、いきなりコードをレビューすると、コードレビューではなく、仕様確認から行わなければならない。

  • 今まで本人任せにしていたため、本人が全く気にしていなかったことを多数指摘され、今更言われてもという感じになり、レビューに対して否定的になる。

  • 基礎学習が不足しているので、指摘事項を丁寧に説明しないと理解できない。

ソフトウェアの開発では、最低限の学習を済ませた人、あるいは、学習を行っている人に、実際の業務を担当させる必要があります(「基礎教育」)。そのような学習を行っていない人のコードをレビューするというのは、コードの作者が若手かどうかに関係なく、レビューする側は疲れてしまいます。

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