News Improvement

Adrenaline Junkies and Template Zombies: Understanding Patterns of Project Behavior

Adrenaline Junkies and Template Zombies: Understanding Patterns of Project Behavior

  • 作者: Tom Demarco
  • 出版社/メーカー: Dorset House
  • 発売日: 2008/03/03
  • メディア: ペーパーバック

以前紹介した書籍ですが、本書の項目45「News Improvement」では、開発現場での悪いニュースが上層部へ伝わっていく過程で、それほど悪くないニュース、さらには問題はないという具合に良くなっていくという話が書かれています。

このNews Improvementは、色々な所で発生していると思います。「マネジャーはプロジェクトの現状をつかむことができない?」でも述べたように、開発の現場の状況をきちんと知るのは難しかったりします。

開発現場で問題が発生した場合には当然その問題を解決するのですが、その場合に、同様な問題が発生しないようにするための再発防止策を検討して実施することが重要です。「問題が発生しましたが、もう解決しました」と報告された際に、報告を受けた側は、問題の本質は何であるかもちろんのこと再発防止策まで突っ込んで聞く必要があります。

報告を受ける側が、そのように突っ込んで聞くことがなければ、一種のNews Improvementが起きてしまうわけです。本当は再発防止策を真剣に検討すべきようなトラブルに対して、問題が解決したのでよしとなってしまえば、問題はさらに上へとは伝わっていきません。

これはソフトウェアの業務委託開発では、面倒な状況を引き起こす可能性があります。発注元に対して、迷惑をかけるようなトラブルを何度も発生させていても、発注先の開発組織ではそれが問題視されることなく上層部に対して「問題が発生しましたが、すでに解決されています」という報告に終始してしまうことです。しかし、問題が何度も発生して、何の改善もされなければ、発注元は発注先の開発組織を信頼しなくなりますし、発注先を変える検討始めるかもしれません。

「開発チーム(組織)の成長」

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